ヨクノカタマリ
キララク・シンラク・ルルシーが好物な隠れオタクの小言。
              
              
              
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DATE: 2006/12/23(土)   CATEGORY: 駄文
キララク

―クリスマス・イヴ―





ピーンポーン





うぅ、朝…?





ピーンポーン
コンコン





母さんいないのかなぁ

「はーい、今出まーす」


締め切ったカーテンに少しだけ日の光が入った部屋のベットの上で、もう昼を過ぎているというのにまだ寝ていたキラはうっとうしそうに玄関へ向かった。


「どちら様ですか?」

「キラ、おはようございます。ご夕飯は何がいいですか?」


向けられた満面の笑みを遮るようにキラはドアを閉めた。


「幻覚だ。きっと好きすぎて幻覚を見てるんだ」

「何が幻覚ですの?」


眼の前の少女は首をこくりと傾けて大きな瞳で少年を覗き込んだ。


「ラクスっ、なぜ君がここに!?…クリスマスパーティーは夕方からじゃないの?」

「カリダさんから何も聞いてないのですか?」


そういえば先ほどから母、カリダの姿が見当たらない。
ひょっとしてと思い、キラはどたどたとキッチンテーブルに向かった。


―私たちは温泉で1泊してくるからラクスちゃんをよろしくね☆カリダ―


図られた。
よりによって自分の思いを寄せる幼馴染と2人っきりで夜を過ごせとはなんと残酷なことだろうか。

頭の中でぐるぐる思いを駆け巡らせていると可愛らしい声でキラと名を呼ぶ声がした。


「あの、もしかして御用がございましたか?それでしたら私は失礼しますが?」


ワザとなのだろうか。
少女はウサギみたいな寂しそうな顔をして俯いてくる。


「用なんか、全然ないよ!ただ親が温泉に行ってるなんて知らなかったからびっくりしてるだけ。ラクスが夕御飯作ってくれるの楽しみにしてるからね」


彼女は飛び切りの笑顔ではいと言った後、ではキラの好きなハンバーグを作りに来ますねと、早々部屋を出て行った。


「はあー、今夜はラクスと2人きりなのか…どうしよう、僕耐えられるかなぁ」






キラはラクスと生まれた時から幼馴染だった。
親同士が仲が良くて隣同士アパートを借りた。
だから幼稚園も、小学校も、中学校も今通っている高校も同じところに行っている。

昔から可愛くて優しかったラクスは今、更に磨きがかかって綺麗になっている。
一緒に登下校してても振り向く男性、女性も問わず数知れない。
だから告白してくる男子生徒もまれにおらず、ここ最近はクリスマスの為か格段と増えた。
しかしラクスはその告白には断り続けていた。
噂によると、好きな人がいるからといった理由らしい。


「僕もけじめつけなきゃね」


キラは自分に言い聞かせるように伝言が書かれた紙切れをくしゃっと丸めゴミ箱に捨てると、自分の部屋のカーテンを開けに行った。








「キラ、どうですか?おいしいですか?」

「あ、うん、おいしよ」


記憶はないが物覚えがついた頃から毎年クリスマス・イヴはラクスの家で、キラの家族とラクスの家族が集まってパーティーが行われていた。
しかし今年は初めて違ったクリスマス・イヴ。
キラの眼の前にはいつからか妹のような存在から愛しいと思える存在に変化していった人物が座っている。


いつも自分の側にいてくれて一緒に泣いたり、怒ったり、喧嘩したり、笑ったりして、いつしか彼女が好きになっていた。
そんな彼女が自分以外の男と笑ったりしている姿を想像するだけで腹が立つ。

この想いを伝えたい。
しかし今のこの関係を壊したくはない。
いつも一緒に居られるこの繋がりがなくなったら僕は…


「キラ、どうかしましたか?やっぱりお口にあいませんでしたか?」

「違うよ。ただ、ちょっと考え事してただけだよ」

「…本当ですか?」

「本当だよ」

「………」


ラクスは何かに耐えるように俯いて黙ってしまった。
その大きな瞳は彼女の綺麗なピンクの髪の毛に隠れてしまって見ることができない。


「ラクス?」

「やっぱり、キラは温泉の方に行きたかったですか?」

「ラクス、どうしたの、急に」

「実は本当は私たちも温泉に誘われていたんです。だけど、私の我儘で…」

「ラクス?」


ラクスは顔を上げた。
その大きな瞳には溢れるほどの涙を浮かべて、悲しそうな顔でキラをみつめた。


「キラと…キラと2人でクリスマス・イヴを一緒に過ごしたかったから、だから行くのを断ったんです。だけど、キラは先ほどから考え事していて楽しそうではありません…本当にすみませんでした」


ラクスは側に置いてあった鞄を手にとって、扉の外に出て行こうとした。
しかしキラはそうはさせなかった。
すばやく彼女の腕をとり、後から抱き締めた。


「キ…ラ?」

「君は、僕のことどう想ってるの?」

「わ、私は、キラのこと、…好きです。大好きです」

「本当に?本当にそう思ってる?」

「はい、私はキラのことが大好きです」


キラは後から抱き締めていた腕を解くと、彼女を自分の方に向け、また腕を廻した。
優しく、温かく、だけどしっかりと彼女を抱き締めた。


「キラ?あの、どうしましたか?」

「僕も…僕もラクスのことが好きだ。昔から、一緒にいてくれて、今日も今この時もものすごくドキドキして、でも嬉しい」

「キラ、私も嬉しいです。キラが私を好いていてくれて嬉しいです」


キラは腕を解くと今度は彼女の綺麗なマリンブルーの瞳を覗き込んだ。


「当たり前じゃない。ここ1ヶ月、僕がどれだけひやひやしたか、思い知らせてあげるから、覚悟してて」

「キラっ///」





クリスマス・イブは恋人たちの日。
ここにまた1組の恋人たちが誕生した。

聖なる夜に、幸多かれん事を。
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